はじめての精油~セラピストも持ち歩く1本って?

日々の暮らしの中で楽しむ香りからココロの薬箱としての香りの使い方や選び方をアドバイスしています。アロマのチカラでココロとカラダのバランスを整える女性を応援しています。
アロマセラピー講座で、「はじめて精油を購入したいのですが、どの精油がおすすめですか?」と必ず聞かれます。迷わず、お話をさせていただく精油は……。

何を選ぶ? 何で選ぶ?

たくさんある精油選び、とっても迷うと思います。
講師をしていると、「何を選んでいいかわからない」「おすすめの精油は何ですか?」「こんな時は何がいいですか?」と必ず聞かれます。

日本で販売されている精油はざっと100種類。当教室JAAアロマコーディネータコースでも32種類の精油の知識や実習をして扱います。

これだけたくさんの種類がある精油から「はじめての1本」を選び決めるのってとっても大変なこと。買いに行っても、また今度に……なんて経験ありませんか?

セラピストも持ち歩く!とっておきの精油とは

「ラベンダー」です。

なーんだ、ラベンダーか、って思いませんか?あまりにも王道すぎる精油で知らない人はいないぐらい有名です。北海道富良野で一躍有名にもなり、日本各地のハーブガーデンで育てられています。

私も毎年6月に行われる河口湖のラベンダーフェスティバルには足を運び、香りを楽しみ、育てています。ご家庭でガーデニングやプランターでも簡単に育てることができる、身近にある珍しくないハーブです。香りもすぐに浮かぶくらい誰もが知っていますよね。

化学者が認めたラベンダーの優れた作用

「アロマセラピー」という名が生まれたのは、1920年代になってからのことです。
フランスの化学者ルネ=モーリス・ガットフォゼが研究中に片手に火傷を負い、とっさに近くにあったラベンダーの精油にその手を浸けたのです。すると火傷は悪化するどころか跡形も残らず、びっくりするような早さで治っていきました。

そこで、ガットフォゼは精油について研究をはじめ、「アロマセラピー(芳香療法)」という言葉を作ったのです。
(JAA日本アロマコーディネーター協会テキストより)

 ラベンダーの精油1本でこんなに便利~

アロマセラピーのもとともなったラベンダー。使いこなさないなんて「もったいない!」と言い切れるほど、これ1本であらゆる場面に役立ちます。

たとえば

  • のどがイガイガするとき
    のどに違和感がある時は、コップに水を入れ、精油を1滴たらしてうがいをします。お家でも、外出先でも、旅先でも簡単にできます(殺菌作用、抗ウイルス作用)。
  • 生理痛でお腹や腰が痛いとき
    外出先でもおなかや腰に、精油を1滴ずつ“ちょんちょん”とつけます(鎮静作用、通経作用)。
  • 外出先での突然の捻挫や打撲、頭痛、胃痛
    指に精油を数滴つけ、患部に”ちょんちょん“とつけます。精油の小瓶のふたを開けゆっくり深呼吸します(鎮痙作用、鎮痛作用)。
  • 人前に出る前や飛行機に乗る前などの緊張しているとき
    みぞおちに精油を“ちょんちょん”とつけ、あけた小瓶を顔に近づけ、ゆっくりゆっくり深呼吸します。(鎮静作用、血圧降下作用)
  • 夏、蚊に刺されたとき
    刺されたところに精油を1滴“ちょんちょん”とつけます。どんな薬よりもかゆみがひいてきます(解毒作用、消毒作用)。

*妊娠中の使用はしないでください。
*精油の使用は自己責任のもとでご使用ください。

旅先でワンランクアップのリラックス

旅先にも、ラベンダーをぜひ! ホテルや旅館でアロマセラピーを簡単に楽しめます。
  1. お部屋に用意されているポットでお湯を沸かします。
  2. コーヒーカップ、湯飲みにお湯を入れ、ラベンダーを1滴たらします。
    (コップは2、3個はあるといいでしょう。お部屋、ベット、洗面所に置きます。)
  3. お部屋のバスタブにお湯を張り、精油をたらします。

お部屋がラベンダーの香りに包まれより浄化された空間と疲れたカラダを癒さす極上な時間になります。

*コップに入れたアロマ水を流すときは、トイレに流すといいですよ。

どんなによい精油でも、これだけは注意しましょう

  • 飲まないでください
    精油は薬理成分の集まりです。天然成分だからといってもすべてが安全と言えません。毒性の成分を含むものもあります。ご自分の勝手な判断では絶対に飲まないでください。
  • 精油の原液は直接肌につけないでください
    ラベンダー、ティーツリーは原液をそのまま用いることができますが、それ以外の精油は必ず3%以下に薄めて用いてください。また、ラベンダー、ティーツリーであっても肌の弱い方は薄めて使ってください。
  • 妊娠時には特に気を付けて精油を選んでください
    妊娠の時期によって、おすすめできる精油とおすすめできない精油があります。妊娠時には十分に注意をして
    精油を選びましょう。(医師、専門家に相談をしてください。)
  • 乳幼児、子供に使用するときには注意が必要です。
    使用するときには薄めましょう。
  • 100%ピュア&ナチュラルな精油をご使用ください
    日本では精油の扱いが雑貨になっています。信用・信頼のある精油店でお求めください。

誰もが知っているラベンダー。用途が広く、万能な精油です。
セラピスト(私)が毎日持ち歩くポーチの中にはレスキュー用として入っています。自分自身や家族のとっさの時のケアに、この1本が大活躍!はじめて精油を買うときの参考にしてみてくださいね。

同じ精油でもメーカーごとに香りが異なります。また、同じメーカーでも抽出した年や、その時の気候で香りが異なります。さらに、同じ種類でも産地、国で香りが異なります。生きている自然の植物だからです。

ご自身にピッタリあうラベンダーの香りを見つけるのも楽しいですよ。